今日の抜粋 暗闇の中で子供
暗闇の中で子供 舞城王太郎著 より

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・・・どうして物語なんて必要になる?喜びも悲しみも楽しみも寂しさも現実にあるもので十分なのに、どうして作り話が必要になるんだ?作り話はつまり嘘の産物だ。何で嘘なんかがここに介入して来たりしたんだろう?
 僕は答えをちゃんと知っている。それはつまりこういうことなのだ。

 ある種の真実は、嘘でしか語れないのだ。

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本の34ページ目つまりまあまあ冒頭で書かれたこの文章は、まるでこれから書かれる物語は嘘の産物ですよーん。嘘。嘘。まるで嘘!だから真剣に読んじゃだめだめ!と読者に向かって言い訳をしているようにも感じられるのは気のせいか?
だって、だって、本当にまるで支離滅裂な、暴力や死や救いや愛や音楽や、しまいには幽霊まででてきてもう、てんやわんやで同じ人が2回も殺されてるし結局結末は嘘を10個くらい並べて、やはりここでは真実は語らないとか言っちゃって、読者に対するものすごい裏切りがあるわけです。怒りさえ覚えます。
「土か煙か食い物」に続くこの「暗闇の中で子供」。物語は一貫して“カタルシス”を求めているのだと感じます。何に対して?自分?生?それとも死?王太郎風に書けば“語る死す”って感じかもしれないけど。ああ。私までおかしくなってきます。

ところでこの話しには一郎二郎三郎四郎と4兄弟がでてくるのですが、かれらの父親である丸雄を含む5人は、圧倒的に暴力的で力があって知性的で勇気があって強くて頑固で弱くて家族を何よりも愛しています。そしてとても男性的なのです。しかし彼ら(とくに二郎と四郎)の振るう暴力は並外れていてちょっと変態的です。もうコテンパンです。でもでも、私は二郎と四郎にとても魅力を感じます。その圧倒的な暴力に、もしかしたら魅力を感じているのかもしれないと思いぞっとします。

ああ。ちょっと精神が病んできたのかもしれません。ソフトな小説でも読んでリハビリします。

しかし今回は私は何に救われたのだろう?四郎とアテナの愛かな?
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by iam_nanae | 2005-01-07 16:17 | books
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感ジルコトを気ままに綴ります
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